July 29, 2026
シャトル織機はの均一すぎない自然な表情や、触れたときの奥行き。そうしたシャトル織機ならではの風合いは、機械の特性だけで生まれるものではありません。織機の状態を見極め、糸や生地に合わせて細かな調整を重ねる、職人の経験と技術によって支えられています。

植山テキスタイルの工場では、長年にわたり使い続けてきたTOYODAのシャトル織機が、現在も稼働しています。
シャトル織機は、緯糸を巻いた木管をシャトルに収め、左右へ往復させながら、一段ずつ生地を織り上げていく機械です。現在の高速織機と比べると生産速度はゆるやかですが、その分、糸に過度な負荷をかけず、ふくらみや柔らかさを感じる生地に仕上げることができます。
均一すぎない自然な表情や、触れたときの奥行き。そうしたシャトル織機ならではの風合いは、機械の特性だけで生まれるものではありません。織機の状態を見極め、糸や生地に合わせて細かな調整を重ねる、職人の経験と技術によって支えられています。

長く使われてきた織機は、現在では交換部品の入手が難しいものも多く、大きな故障が起きれば、修理できない可能性もあります。
だからこそ、私たちは日常的な点検とメンテナンスを大切にしています。
稼働音のわずかな変化、振動、糸の張り、シャトルの走り方。職人は織機のそばで状態を確認し、異変があれば早い段階で調整します。部品を清掃し、摩耗した箇所を補修し、ときには既存の部品に手を加えながら、安定して動かせる状態を保っています。
壊れてから直すのではなく、壊さないために日々手を入れる。
その積み重ねが、古い織機を守り、ものづくりを継続していくための基盤になっています。
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古い織機を使い続けることは、昔の製法をそのまま残すことだけを意味するものではありません。
織機の特徴を理解し、現代の素材や用途に合わせて調整しながら、その機械にしか生み出せない価値を次のものづくりへつなげていくことです。
一台の織機を維持するためには、機械を扱う技術だけでなく、音や動きから状態を読み取る感覚、部品を修理する知識、糸や組織に応じた調整力が必要です。こうした技術は、日々の仕事のなかで人から人へ受け継がれていきます。
植山テキスタイルでは、織機そのものと、それを扱う職人の技術を、ともに大切な資産だと考えています。

工場に響く、シャトルが往復する音。
その音は、長い時間をかけて受け継がれてきた機械と、日々向き合う職人の仕事の音です。
効率だけでは測ることのできない生地の風合いを、これからも届けていくために。植山テキスタイルは、手間を惜しまず織機を整え、技術を磨きながら、ものづくりを続けていきます。
一枚の生地の背景にある、機械と人の営み。
その価値を未来へつなぐことも、私たちの役割です。
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